家で製麺やったときのあれこれ

 製麺はやろうと思ってたんですよね。

きっかけとしては自家製燻製やったことですね。ちょうど一年くらい前に燻製器買って家で手軽に燻製できる面白さに気づいたんですよ。こう、燻製って居酒屋とか外で食べるもののイメージがあって、自分で作るのは難しいかなと思ってたんですよ。でも、やってみると思いのほかうまく簡単にできる。むしろ出来たての風味がダイレクトに感じられて美味い。なんでもやってみるもんだなと。

ハードル高く感じてたけど自分でやれないこともない料理は娯楽として面白いなと感じるようになりました。娯楽としての料理は、作る過程楽しめるし、完成物も美味いし、達成感あるし、やりこみ要素は多いしで遊びとして深さがあっていいと思うんですよね。

製麺やってみたきっかけとしては、大学時代にラーメン屋巡りをがっつりとやってて、ラーメンなら任せろって感じだったのもありますね。今はラーメンだけでなく美味いものもっと全般的に、スパイスカレー巡りが特に楽しい感じです。

まあとにかく数多く色んなラーメン食べてくると、ここの店はスープがめちゃくちゃ美味いのに麺がごわごわで惜しい。このスープには細麺の方が絶対に合うだろ、とか出過ぎた感想を持つようになるんですよね。俺が監督なったら阪神もっと勝てるのによ、的なアレですね。無責任に思いつきを口にするの楽しいんでええんですけど。

作ったこともないのに、俺ならもっとうまく作れるぜ的な感想を持つのはどうなんだ、とかそういう思いもまあありますよね。そんなことは思いつつもラーメン屋は星の数ほどあるので、色んなお店のラーメンを味わっていくだけで楽しくやってけるんですけどね。俺たちは差異を楽しむ消費社会に生きている。

まあとにかく、燻製の次に何作ろうと考えると「ラーメン」ということにしました。ラーメンはスープと麺とトッピングで構成されてる。トッピングは燻製チャーシューとか作ればいい感じのができる。ここはもう武器がある。

スープはちょっと前にやってみたことがあって、寸胴鍋買って鶏がらを5時間くらい煮つづけたことはあったんですけど、映画みながらやってたら水を足し忘れててからっからになるというミスをやってしまったんですよね。ああ、ふがいない。まあでもやり方はわかったのでよかった。映画も面白かったのでよかった。

スープの次は製麺だということでメルカリで製麺機を。パスタマシンが3000円くらいで買えました。普通に買う半額くらいでした。試しに買ってみるのハードルを下げてくれたメルカリに感謝。製麺機には生地を伸ばす機能と麺として細かく切る機能の2つがついてます。製麵機買ったのが1月くらいで、買ったことでそこそこの満足感があったので放置。積ん読ならぬ、積み製麺機。やりたくなったときにやればいいやと気長に寝かせてました。

そして5月になって外に出かける気分でもないけど、家で動画みたり本読むのも違うな。いつもとは違うことをしたい、という気持ちになったので満を持して製麺することに。強力粉と薄力粉を買ってきました。ちょっとブランドの小麦粉でも小麦粉は安い。春よ恋を買いました。生地の作り方は基本的に粉と水を混ぜていくだけでとてもシンプル。水の比率をどうするのか加水率の調整とか、粉の種類とか、水の質だとかこの時点で色々な変数があるのでこだわり出すとここに注意するんだろなとか思いましたけど、とりあえず本のレシピ通りにお試しでやります。

生地をデカめのボウルに入れて混ぜる工程です。この情報に溢れた時代に粉と水を手で混ぜることに没頭するの、禅的な精神が涵養される気がしますね。こねるだけ、まんべんなくこねるだけ。目の前のかたまりに集中すればいいだけの時間、これはとても贅沢なのではないか、とか適当なことを思いながら混ぜました。『社会を生き抜くためには生地をこねなさい。』内容のない自己啓発系ビジネス書として税込1620円で売りたい。

混ぜが終わると踏みに入ります。うどん作るときにやるやつです。夕方のニュースのほのぼのしたコーナーとかで紹介されがちなやつです。なんかちょっとテンション上がりました。もしここで食べ物は踏んではいけないという信心を持ってる人は生地づくりのときにこれ出来ないな。隠れキリシタンが踏絵を踏まされたとき、あれはどうだったんだろう、踏まないと殺されるなら踏むよな、とか適当なことを考えながら踏みます。コシのある麺にするためには食べ物を踏むことも必要悪だったのだ。生地の感触が柔らかくて足が楽しかったです。この後、生地を30分くらい寝かせました。

生地寝かせの後は生地伸ばしです。やっと製麺機の出番。生地を6分割くらいにして木の棒で平たく伸ばす。平たく伸ばした生地を製麺機に通して更に伸ばす。製麺機にどれだけ薄く伸ばすのか決める設定が6段階くらいあるので1番厚い設定にして生地を通す。より薄くなる設定に変えてはまた通す。これを続けることで麺にコシが出てくるらしい。でもこれがなかなかの力仕事でそこそこ大変。生地がなかなか製麺機に通りにくいとハンドル回すのに力がいる。次の日に腕筋肉痛なったわ。製麺は筋トレにもなる。この工程は筋トレオタクに頼みたい。

伸ばしが終われば薄くビロビロになった生地を切っていきます。やっときたぜこの工程。製麺と言われてイメージするのここでしょ。麺としての命を吹き込む醍醐味。僕の買った製麺機は太麺と細麺の2つ設定できたので両方作っていきました。切るのはそんなに力使わなくて単純に楽しい。ちょっと前までは粉と水だったのに、こんな立派な姿に、お父さんは嬉しいよ。

完成したので茹でます。2日くらい寝かせると食べごろと本に書いてましたけど、作ったらすぐ食べたいんですぐ食べます。細麺は3分、太麺は5分くらいでいい感じ。茹で上がると本当にちゅるちゅるの麺が出てくるのでにやけますね。ざっくりとしたやり方でもそれっぽいの出来るのか。作ってた鶏ガラスープと昆布だしと醤油でスープ調合。燻製ソーセージと焼きネギと味玉のっけてラーメンに。食べてみると麺がマジで美味い、誇張でも何でもなく有名店に負けないレベルの美味い麺ができてしまう。のどごしがめちゃくちゃに良くて、小麦の風味がたまらない。それなりに手間がかかるけど、ここまでの見返りあるならそれまでの工程はそりゃ仕方ないなと思わせてくれる。自家製麺はいいぞおじさんになってしまうな。

まあスープは思ったよりもパッとしないとういかそれなりには美味いけどパンチが足りない感じがしたのでまた今度やってみたい。次の日に冷やし中華作ってみたんですけどこれは市販のゴマだれと醤油と酢を混ぜてタレ作ったのでタレも麺も抜群に美味くて最高でしたね。やはり1日寝かしたからなのか麺のコシが昨日の出来立てよりも出ていて自家製麵の楽しさにやられましたね。次の日はもっとおいしくなっているとか実家で食べるカレーと同じだ。そういえばカレーで使うようなスパイスを麺に練り込んだりもしてみたいですね。変わりものをガンガン作れることこそ家で作る醍醐味。またやろう。

 以下、参考にしたものです。

・本

2001年発売とはもう結構前だなって感じですが、色あせることなく役立ちました。

パスタマシンで麺道楽―うどん、中華麺、韓国風冷麺、もちろんパスタ!

パスタマシンで麺道楽―うどん、中華麺、韓国風冷麺、もちろんパスタ!

 

 

・web記事

自家製麵といえば、玉置さんです。ちょうど最近パスタマシンで自家製麵する記事が上がっててタイムリーでした。みんなのごはんの記事、とても好きですね。

r.gnavi.co.jp

 

こっちの記事はもうちょい前になりますが、僕が最初に「製麺 家 やり方」とかで調べてたときに見つけて読んで高まったやつです。ちゃんとした製麺機は機械の美しさがありますね。それどこもいい記事多くて好きですね。

srdk.rakuten.jp

 鶏ガラスープ干上がらせたときのツイートも置いておきます。こうならぬようにお気を付けください。。今回はこれのリベンジも果たせましたね。

以上です。